はやめ

宗教・原発・辛坊さんとヨット




宗教

 ロ-マ亡き後の地中海世界

 25年ほど前にスペインのマジョルカ島からイタリアのサルデイニアにヨットで2日間ほどの航海をしたことがありました。その時にその州の旗を知り奇異に感じました。鉢巻をしたムーア人の横顔が描かれているということです。その時に奴隷を描いたとか、囚われた住民だとかの説明を聞いた記憶があります。本当の由来は知りません。塩野さんの”ローマ亡きあとの地中海世界”を読んだ後では、サラセン海賊を防ぐために山の頂上に村があったり、岬岬にトーレ(搭)を眼にするのには納得できます。
 ボストンマラソンでの爆発事件がありましたが、21世紀はイスラムの問題を解決しなければなりません。十字軍の問題やサラセン海賊の問題では、どちらかが悪いということではないようです。時間がかりそうですが、イーブンイーブンだとの共通認識に至れば、糸口がみつかれかもしれません。

 
        
 
 宗教のくびき

 織田信長は世界史的な貢献をしました。日本は織田信長が旧教的な比叡山と新教的な本願寺を殲滅してくれたおかげでその後は宗教的な影響から逃れてきました。神式結婚式,仏式の葬式、クリスマスのキリスト式など自由自在です。まだ現在の日本が特殊です。日本に多神教世界が古来あったし、いまでも影響されている理由からかもしれません。ローマは1日にして成らず、多神教世界より一神教にして滅亡した。
今アルジェリアの問題が起きましたが、世界史的にイスラムの問題を解決するには、まだ100年はかかりそうです。キリスト教でも宗教改革で何百万人の人がなくなり、19世紀でも魔女狩りをしていました。無神論になる必要はないかもしれませんが、穏やかな宗教とつきあいたいものです


 



  原発問題

 
         
  コンテナタンク これに汚染水貯蔵         このようにコンクリートでヤードを作り この専用クレーンで無くても
                              大型フォークリフトで何段にも積み下ろし可能

 原発の汚染水貯蔵

 自衛隊のヘリコプターで水をまいていたころ、内閣府にメールで、消防船やタグボートには消化設備がついているので、鹿島コンビナートより派遣して炉心を冷やすのに海側から放水したらどうかと提言したことがありました。結局折り曲げ式のコンクリートを流すタイプの車の使用になりました。今回も役に立たないかもしれませんが、元船乗りとして、あたり前のことを提言いたします。汚染水の貯蔵には、ひとつはタンカーの利用です。10万トン級の接岸設備があるとは思えませんが、沖アンカーして、そこに500−1000トンクラスの小型タンカーで中継することができます。次はタンクタイプの液状輸送コンテナーが統一規格としてあるので、大量に安く購入でき、保管も敷地にコンテナーヤードを作れば大量に積み上げて何段にも保管できます。最後にメガフロートの利用がどうのこうのという話があり、その後で清水の運搬に利用されたかどうか報道で確認できませんでした。自民党は原発維持の方針のようですので、事故対策で汚染水処理施設、注水ポンプ機能機能をもったメガフロートなりタンカーを常備しておくのが緊急対応で役に立つように思います。

 原発の汚染水貯蔵 その2

 原発の今回の汚染水漏えいで事故のレベル3と報道されています。地下タンク対策と地上タンク対策も破綻しました。その原因はひとえに東電の泥縄対策にあるように思えます。今日のテレビ映像を見ていますと、敷地近くに民家があり、大きなスペースも見られます。これも地下水の対策と同様に東電ではできないようなので、政府が乗り出し、その敷地を購入して、間に合わないので後で購入することにして借りても、恒久的な貯蔵施設を建設するべきでしょう。
 地下タンクは廃棄物処理のゴム製で簡易なもの、地上タンクは現場で慌てて製造しているように見えました。タンクを作ったあとの漏水試験もまともにやっていなかったのでしょうね。この小生の船中発策のHPで述べているように、恒久施設のできるまでの一時的なタンカー貯蔵、コンテナタンクの利用をやってみたらどうでしょうか? 東電はずるく、こんな対応を続けて、国に徐々に移行していこうとしているのでしょう。東電の社員の給料を最高1000万円に制限しろよと、また誰も今まで責任をとっていない人災原発事故の責任者を処罰をせよと庶民感情では思います。 

 除染作業の手抜き  下請けについて見直しが必要

 原発事故が起きる前でも原発の作業に幾重にも下請がかさなり。高濃度の放射線をあびる作業に従事していたことは承知のことでした。福島原発の事故後の作業でも線量計を持たないで作業したり、鉛でそれをカバーして少なく数値がでるように偽装したり、それはすべて東電社員ではなく下請け作業員が被曝しまた。
 最近の朝日新聞の報道では、除染作業において、3次受けの下請け作業員が汚染作業の手抜きで汚染物を放置したり、除染作業に使用した高圧放射水をタンクに貯めることなく捨てたという。それも元受会社大成建設や前田建設工業の指示があったということです。
 まずは今回の原発事故の関連作業において、元受会社は入札した作業のまたは金額の過半数51%は自社で作業させるように取り決めるべきです。今回のように1時受け2次受け会社は手数料をピンハネるだで手抜き工事をする。その代金は税金や電気代の値上がりに反映して最終消費者に支払わせるのは許せません。またゆくゆくは下請け法を改正してこのようにしてゆくべきです。 百年河清を待ってもできないのでしたら、東電が原発の事故処理作業について、いっそ下請けは禁止にして、自分の管理で処理させましょう。被災者の雇用が増えることになり、ピンハネ分は安価になり、保証にもっとお金を回せます。 

          
          大前研一さん
 
 原発事故のセカンドオピニオン
 
 うかつにも、MITで原子力工学の博士号をとり、日立でもんじゅなどの原発の設計に携わっていた大前さんの”ひとり事故調”の調査結果が発表されていたのを知りませんでした。事故直後に他の情報も無いときに、ユーチューブではっきりとした事故直後の見解を出されていましたね。
 セカンドオピニオン報告によりますと、原発の設計思想が間違いであった。外部電力の喪失は考えなくてよい設計指針でした。何があっても供給できる多様な電源の確保と冷やす水源(冷却原)があれば被害の拡大は防げたということです。津波での防潮堤の高さが今回の事故原因ではないとのことです。人災であったのに、それに今だもって誰も責任をとっていません。過去の人かもしれないが追及すべきだと言っています。
小生の不確かな情報より、検索にて正確な情報を1度お読みください。

 原発事故のセカンドオピニオン その2

 大前さんと東電社長の1時間にもわたる対談が動画でごらんになれます。

東電は大前さんの一人事故調の報告を全面的に認め、このような会談になりました。前の社長・会長ではとてもありえなかったことでしょう。問題はこの事実をマスコミが知らせてこなかったことです。今更事故当時より長きにわたって、自分たちが何も検証することもなく、ただただ広報として、発表されたものを流すのみでした。今更言えないよねと反省もしていないようです。全国3大新聞がありますが、これも戦後変わることがなく、大本営新聞部発表でした。もうそろそろこれらの新聞は整理統合の季節を迎えましたね。アメリカの新聞も買収されたことも時代が来たということです


▼大前研一 vs. 東京電力 廣瀬直己社長「原発安全神話の嘘と訣別する」
 http://r34.smp.ne.jp/u/No/322326/0ksy40H7ci0D_120763/1308210010.html

東電も再稼働にあせっているとも見えます。事故処理を真摯に行い、小出しの発表体質を直さねばなりません。

 
 消えた節電広告

 本日の最大電気消費時間のお知らせとか節電のお願いなど、今夏はテレビで放映されません。原発なしで
まかなえるのでしょう。それとも本当は供給限度内ならどんどん電気を使って営業に協力してほしいのが本音なのでしょう。
 相変わらず、汚染地下水の海への漏えいだとか、汚水タンクのホースからの漏れなど報道されております。東電は原発事故対策費用は経営悪化をもたらすので、費用をできるだけ抑えた方針で臨んでいるようです。この時期になるまで、モグラ叩きで終始し、根本的な恒常的な対策をする気がないようにみえます。国の原発事故対策処理委員会を立ち上げ東電に任せるのではなく、責任と全面的な権限で実行してもらう以外に解決できないように思います。そこの指示で東電が動き費用を支払うのはもちろんです。
 岩手県の一関市や奥州市では小学校の校庭の草取りの際には全員が手袋をして、お尻を土につけるのを禁止して行っていると聞きました。宮城県を取り越して岩手県での話です。除染も行なったということです。
 政府は原発近くの住民にはっきりと除染では無理で、帰宅不可能の地域を知らせるべきです。政治家が自分の口から云うのをためらって責任逃れをしないでください。早く新しい生活への再出発を手助けするべきでしょう。

 原発周辺の土地の国有化

 除染作業の手抜きの問題が報道されました。国は確かに除染作業を終えて早急に元の場所に帰還してもらうのが王道でしょう。今回の手抜きの原因に一部にはそもそも除染作業を受けてはみたけれど、元請け会社はコスト的に無理だな思っていたのかもしれません。それでも糾弾されるべき会社行動です。除染のコストを考えると要する期間も考えて、経済的に合わない場所も出てくると思います。早めに被災者の方に諦めて新しい人生に立ち向かってもらうのを政府が告げることも必要だとおもわれます。回収した国有地には100年かくらいの原発廃棄物や使用済み燃料、今回の汚染物資の貯蔵施設をそこに設置します。その上にメガソーラや風力発電所で電気を作ります。その利益を復興にあてたり最終処理技術の研究費にあて、その間の100年をかけて開発する。誰しも考えそうなことですが言われて広がっていないのは不思議な気がします。

 



辛坊さんとヨット

                        

 辛坊さん乗船のヨットが救助される

 辛坊さんと盲目のセーラーさんが無事救助されました。良かったです。4mの波高のなか、飛行艇の性能限度ギリギリ
で着水救助をしていただきました。ありがとうございます。このヨットは神戸震災の前だったので大分経ちます、オーナーが
寛平さんのマネージャーをしているときに、私が輸入のお手伝いをしたヨットです。寛平さんの時はパートナーがアメリカ
大陸横断の陸送やフランスから日本までの船積み手配の仕事をいたしました。今回はこの事故が起きるまで、出発の
時期さえ知らずに、何もお手伝いすることはありませんでした。
 ヨットで大西洋の横断をしたことがあります。ヨットでの横断などは、時期・航路とヨットを選べば冒険とは程遠く、返って
あとでダイエットを気にしなければならないような楽しい旅行のひとつです。ただし途中注意しなければならないのは、
他船との衝突、今回のような浮遊物の衝突、操船者の落水です。浮遊物に関しては半潜水で波間に見えないタイプの
コンテナーとか沈木もありますので、避けようのないものもあります。クジラとの衝突もコワイです。日本からアメリカへの
横断は台風を避けるため梅雨時期のこのときしかありません。セオリーどうりでした。寛平さんの時は冬の1月でしたので、
難しい時期でしたので。これは冒険でした。浮遊物は夜は目視できませんので、夜だと防ぎようはないです。運が悪
かったので、またチャンスがあったらトライできるといいですね。

       
               飛行艇 US-2

 辛坊さん救助と飛行艇と紅の豚と救助費用

 波高4mのなか、性能限度ぎりぎりで自衛隊の飛行艇”US-2”により辛坊さんらは救助されました。アニメの紅の豚は
ご覧になったと思います。第1次大戦と第2次大の間の短い期間に、飛行機の発達史のなかで飛行艇は注目される
時期がありました。宮崎さんは見事に表現されましたね。お台場に2式大艇が展示されていいたときに実物を見ました。
これは川西飛行機という会社の製造です。2式大艇は優秀な機体として当時評価されています。戦後は新明和工業
となり;US-1;今回の”US-2”の飛行艇を開発しました。今日の株式で新明和は5%ほど上げています。値上がりは
今日だけでしょうが。
 世界で戦後に飛行艇を製造しているメーカーは3社しかなく、US−2;は最高性能ということです。それはニッチな市場
で、日本には歴史があったということでしょう。インドが欲しがっているという話ですが、軍事製品の輸出は禁じる国策を
とっており、実現しておりません。小笠原への航空便として、世界遺産を壊す飛行場も作らなくていいので、利用が考えら
れますが、コストを無視した軍産品ですので、高価なことがネックのようです。
 辛坊さんの救助でも分りましたが、保安庁の船では距離があると数日かけて、救助現場に到着です。飛行艇の有用
さが分りました。
 救助費用の問題が言われています。たまたま辛坊さんが有名人であり、支払い能力がありそうなので言われるのでし
ょう。海難救助費用に世界で請求されるケースはありません。山の遭難でも公的機関のヘリコプター利用でも無料の
ようです。世論が許さないというのなら、世界で稀有な法律制定をすればいいでしょう。国際海難救助協定との整合性
も求められます。
 かってトルコがイランの日本人救出のために、日航が飛行機をださないのに、飛行機を飛ばして救出してくれたことを
思い出してください。明治の時代にトルコの軍艦が潮岬で遭難しました。その時に地元の人々の必死の救出作業を
今でもトルコの人々は感謝していて、恩返しということでした。
 海難ということには文化的なこともあるようです。友人がカリブ海で、ハリケーンにより自分のヨットが80mも飛ばされて
陸の上にのし上げたことがありました。見事に艇内の備品は持ち去られました。スペインのマジョルカ島でも海岸に
打ち上げられたヨットから備品を持ち出す人々を実際に目撃しました。日本ではこのような事態はは考えられませんね。
我が国には文化的にもトルコの海難のように先人がなしえた貴重な遺産がありますので、大事にしたいと思っております。

 辛坊さんとヨットの冒険

 今日は関東の梅雨明けです。この今日のこの日に、日本より太平洋横断の出港を選べば、天候的には最もよい判
断といえましょう。台風を航海中に避けるのがプランのなかでの最重要事項だからです。寛平さんの時は真冬の日本
出港でしたので、正気の沙汰ではなかったですね。でも天候とそれによる航路選択は専門家がついていましたので、
無事冒険をやりとげました。今回も辛坊さんには天候アドバイザーがついていたと、思われます。
 ヨットのロングクルージングではアメリカから日本に来るような、西回りの航路選択が、東回りの航路をとるより、
3倍易しいと言われています。貿易風や海流をうまく利用できるからです。気象学的に大陸の東側は低気圧の発達する
海域であり、厳しくなります。それゆえに日本からだと小笠原までが厳しいといわれています。辛坊さんは1000キロ余り
日本より離れたので、くじらにぶつかりさえしなければ、確実に成功したでしょう。時期的にも冒険ではなかったので、
富士山登山で運悪く落石にあたったようなものでした。ヨット乗りでは最近はホーン岬を回るようでないと、
冒険といわなくなりました。商船の世界でもそれをまわった船員は人と話す際にはテーブルの上に足をかけて応対
できるといいます。
 暗視装置が発達してきたので、それをもって夜間の当直に海を眺めていて、どれほど衝突を避けることができるか
未知数です。使った報告も、それが役に立ったという話も耳にいたしません。100分の1ぐらいの確立でぶつかったのは
ないかと思っております。
これにこりずに、辛坊さんたちは再チャレンジしてください

 海外艇購入と保険

 保険の問題はこの本船検やボート免許の問題のところでも述べています。今度輸入代行をお世話したボートでいよいよお客様のマリーナへ廻航する段階になりました。18号台風土接近で待機中です。
 保険はイギリスの保険会社をアメリカの代理店を介して加入しています。そこで問題発生です。フロリダの日本への積み出し港までの廻航は3回ありました。アメリカ人の廻航キャプテインに依頼して無事済ませました。しかし日本での廻航業者を保険会社がなかなか認めようとしないのです。小出しに船長とクルーの廻航履歴、会社履歴、免許提示、事故歴と保険の使用歴、最後には自動車事故歴、犯罪歴まで5回ほど聞いてきました。担当スタッフが怒りだし、いよいよ本性を露わした、人種差別だと言い出す始末です。それでやっと保険会社が日本での廻航を認めました。何しろアメリカサイドではクルーの名前すら知らないで簡単に許可したのですから。問題は日本の損保が海外から持ってくる艇の保険加入を認めないからです。費用も倍以上高いです。日本の損保会社は調査能力不足で不正の支払いを見抜けなくて、高い支払いをしているのも原因の一つです。それはまじめな事故を起こさないオーナーに負担を押し付けています。高い保険料のはずですね。

 
 
貿易風の吹く島から〜カリブ海のヨットマンからの電子メール
                               

                                                              佐野さん
道産子。小学生の時、フランス人4人がヨットで世界1周する記録映画を見て、
人生の針路を決定する。水上生活者として20余年。前半は地中海、
後半はおもに大西洋とカリブ海で暮らす。
カリブの砂州、カージョ・オビスボにヨットを舫い棲家とする。(当時)
現在はコロラドの国立公園の山中に仙人のごとく暮らす。
のらり より転載しました。下記のウエブでカリブヨットクルーズを読むことができます。
著作権は作者とのらり編集部に属します。

  http://www.norari.net/carib/carib.php