速魚の船中発策ブログ まとめ




自衛艦おおすみと遊漁船の衝突 その1

自衛艦(揚陸艦・輸送艦)おおすみと遊漁船の衝突 その2

自衛艦(揚陸艦・輸送艦)おおすみと遊漁船の衝突 その3


米海軍艦艇フィッツエジェラルド と 日本郵船運航コンテナ船ACXクリスタルの衝突

海上自衛隊と航海科の充実

海上自衛隊と航海科の充実 その2  


航海科の充実 その3
 練習艦しまゆきの航法   
米海軍ミサイル駆逐艦がタンカ−と衝突












艦船との衝突事故まとめ




 自衛艦にかぎらず米国艦船との事故がよく起こります、まとめてみました。




     自衛艦おおすみと遊漁船の衝突 その1


 お昼のニュースで自衛艦おおすみと遊漁船が衝突しました。4人が海に投げ出され2人が低体温症で重体だそうです。
これから原因究明がされていくことになります。

                               
            液晶カラーレーダーでは青くのみ見えるわけではありません


 あたごとの衝突の時に外交軍事評論家のMさんがテレビ番組で、レーダーの画面が緑だから自衛艦あたごはそれが見えたのではないかと発言していたのを聞きました。ボート乗りや船乗りにとっては噴飯ものの発言です。軍事外交専門家とはいえ、彼は防大卒業後航空自衛隊出の経歴です。だから海のことは詳しくないはずです。あとで大臣にはなりましたが。 レーダーの光源は電球のように明るいわけではなく10メートルも離れたら見られません。その設置には水平にして周りの明るさを嫌うのでフードをかけて見るのか、あるいは液晶になったものは船尾方向に向けて操船者が前方を見ながらレーダーを見るように設置されています。従って設置場所からも他船がレーダーの画面を灯火と間違えるはずはありません。
 海上衝突予防法で夜間に緑灯火を確認したということは、他船が自船の前方左側に位置して右方向へ航行していることを示すサインです。そのことだけでは他船と衝突になる恐れがあるわけではありません。慎重に何度も他船の方位を確認してその方位があまり変わらずに接近してくるのなら、初めて他船との衝突の恐れがあるということで、この時海上衝突予防法横切りの航法が適用される。この状態は他船を左に見る場合の航法になり、自船は針路と速度を維持して漁船を慎重に見守りながらの航法になります。魚船はあたごを避けるために右に舵を切って避けることになります、機関を減速することも方法です。Mさんのように青が見えるのなら漁船が回避義務を負うようになります。身内防御意識の発言でなければいいのですが。

、   http://www.mlit.go.jp/jmat/monoshiri/houki/houkinyumon/koutsunyumon.htm

 これからおおすみの事故はいろんな事が報道されるでしょうが、マスコミも検証することく、報道するばかりですから気をつけて見ていく必要があります。ここで自衛隊の航海科の充実の述べていますが、いつまでも事故が続きますね。

   本船の常識 小型船の衝突を避けるために

                  2014-1-15

 訂正とお詫び

 夜間の横切り船の説明に誤りがありました。訂正してお詫び申しあげます。

                    2014-1-16

                        





  自衛艦(揚陸艦・輸送艦)おおすみと遊漁船の衝突 その2


 今日16日の報道では揚陸艦おおすみの遊漁船に対する追い越し状況で発生した衝突です。救助された釣り客によると船首側に位置して後ろを見ていたので、おおすみの後ろからの接近を話しています。あたごと違い朝の見通しのいい時間ですので、この状況は明らかにおおすみの追い越しになります。従い追い越し船の航法により、おおすみが十分に注意して遊漁船を追い越す必要があります。左舷側に構造上の死角があり、追い越しをかけるときに見失ったのかもしれませんが、それ以前に目視して、追い越すわけですので死角の問題は関係ないでしょう。最大速力22ノットとですが、航海速力は15ノット位と想像されます。追い越しも他船と速力差があると楽なんですが、遊漁船の速力は船長が亡くなったので未定です。本船に比べてたくさんの見張り要員を配置しているので、左舷側に見張りブースを設置して死角をなくすのも方法ですが、小生が乗船した本船でも前に巨大重量物クレーンがあり視界を部分的にさえぎる構造のものはありました。
 やはり海上自衛隊も航海に要員の教育やら訓練でエネルギーをさく体制が必要ですね。またかと幹部がなげくより、航海そのもの仕事を重視することです。

 http://www.mlit.go.jp/jmat/monoshiri/houki/houkinyumon/oikoshi.htm


 今後の報道で参考になるものとして

汽笛(音響)には
  短音 1回  ●       自船は舵を右に切って 針路を右に転じている
  短音 2回  ●●      自船は舵を左に切って 針路を左に転じている
  短音 3回  ●●●    機関を後進にかけているとき

  追い越し信号
  右側から追い越すとき  長音 長音 短音         − − ●
  左側から追い越すとき  長音 長音 短音 短音     ー − ●●  

  長音とは5秒程度続けて鳴らす音、 短音は1秒程度の音

  警告信号
  短音 5回以上

  警告信号を聞いたという報道がありますが、その時期が大事です。結果的に衝突し
たのですから。

 以上 報道が断片的な可能性もありますのでご参考までに。

    
   本船の常識 小型船の衝突を避けるために

                  2014-1-16





自衛艦(揚陸艦・輸送艦)おおすみと遊漁船の衝突 その3
        
       運輸安全委員会報告  

 
   


 下記のように揚陸艦・おおすみ・と釣り船の衝突事故の運輸安全委員会の報告書が公表されました。
 釣船・とびうお・は・おおすみ・をいったん追い越して・おおすみ・の左舷前方に航走した。それで自衛艦の追い越しの航法が適用になるのかと、これを読むまでは思っていました。今回は横切り船の航法が適用されることに、その時間と位置関係からなります。
従い・おおすみ・は進路速力を保持して注意して航行する立場になります。釣り船が進路を右にして衝突を避けるか、エンジンの減速・停止をして避けるかになります。・おおすみ・にも衝突を避けるために見張りをして注意喚起・警告信号をおこない衝突を避ける最善の協力動作を行う義務があります。
  裁判において見解が変わることがありますけれど。

 本船にもヨット・ボートの小型船にも経験のある老生だとしたらこの状況でどうしていたでしょうか?

 1. 自衛艦の艦長だった場合・ありえませんが

 釣船と衝突の恐れを感じた場合は、航海長から・もらう・と発言して権限を委譲します。と言ってもこの海域は艦長が甲板上で指揮するロケーションです。同時に疑問・警告信号・汽笛を鳴らして注意を喚起します。この船位では右への回避は避けたいので、最初に段階的ではなく一気に機関停止して必要なら機械反転を指示した。釣舟が先に船首を通過するとの報告は誤認か不正確な状況であると思われます。速めの汽笛が必要でしょう、漁船にVHFが積んであればチャンネルで通信士に連絡させることも可能ですが報告にはその調査はありません。もっとこれの利用を世間に促すべきでしょうね。

 2. 釣舟の船長だった場合・大いにあり

 いったんは自衛艦を追い越したので自船のほうが速いと思っていたけれど、自衛艦が船尾から速度を上げて追い越しと思われる状況に至った。前方に注意していてその認識が遅れたのでしょう。ここは速度の差が大きくないかぎり自衛艦の船首を通過することは無理だと判断して法規上は右に変針して避けるか、または機関停止・減速で自衛艦を先にやることになります。でも自衛艦と並航する針路をとり、減速して自衛艦の船尾を通る処置をするでしょう。

 3. この報告書でわかったこと

 門外漢の古い本船乗りでは、自衛艦の実務の状況は想像するのみでした。

 イ. 当直要員
    艦長、 航海長、、副直士官2名、当直海曹、操舵員、伝令、信号員、
    左右後見張り員3名 以上11名 今回は船務長がアドバイスを航海長
    にしているところから当直員数に含める必要ありでしょう。船頭多くしてもね。
 ロ、 操船命令が日本語が使われている。商船では内航船の1000トン以下で  
         な い
    かぎり英語の命令を使用。外国との合同演習が盛んですが不便はないのでし
    ょうか?事故とは関係なし。
 ハ. 艦長・航海長とも海技免状は所有していない。防衛省基準のものは満たす。
    艦長51歳で平成20年より艦長を務める。25年4月より本艦。
    航海長 33歳 平成21年から通信士,船務長等を務め、25年7月から
        本艦、    従い履歴より運航当直経験は多くはないと推測される。
 ニ. 報告書では8マイルレンジのレーダー図がありますが、船舶輻輳するところ
       では本船でも2台のレーダーを使用して1つは8マイルで、もう1台は4−2−1
       マイルレンジを使用して海面反射の影響を避けて小型船の動静を航海士が
       チェックしています。そのようなレーダー運用していないのでしょうか?ガス
       の 時にどうしているのでしょう。報告には水上用レーダーを使用とあり、
       航海用のレーダーの能力と運用は記載されていない。船務長という情報・通
       信の責任者がレーダーの取り扱いを指揮していたと思われる。老生の時代
       には衝突予防機器がありませんでしたが、現在は商船には装備されている
       はず。自衛艦はどうなっているのでしょう。調査委員会の詰めの甘さも感じら
        れますね。

  ホ. 構造上左舷の視角が制限されるところから、左舷の端に見張り所があり、
    見張り員が存在した。彼が釣舟の動静には詳しいことになる。航海長から
    釣舟の船長が本艦を見ているかを問われ見ていると報告、それで漫然と
    航行を続けることになり対応が遅れた。
  ヘ. 釣船が転覆しなければ、軽度の接触事故で終わったかもしれない。それに
    より水死事故なった。乗船中の船長判断による救命胴衣着用は役立つかも
    しれません。  
            
  結論

  個人的な見解にすぎませんが、やはりここで航海科の充実を何度も述べていま
   すが それに尽きます。 

  今回の事故報告書 50ページ
  http://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/rep-acci/2015/MA2015-2-1_2014tk0001.pdf
  海上衝突予防法の横切り船の航法
  http://www.mlit.go.jp/jmat/monoshiri/houki/houkinyumon/koutsunyumon.htm

 
        2015-2-18



  小型船事故とマスコミ報道

     揚陸艦おおすみの事故報道







   米海軍艦艇フィッツエジェラルド と 

      日本郵船運航コンテナ船ACXクリスタルの衝突

 


米国イ−ジス艦フィッジェラルド 排水量8315トン

 6月17日の未明に米海軍イージス艦とフィリピン船籍コンテナ船が静岡県伊豆半島南端の石廊崎の沖合10マイル付近で衝突しました。米軍の行方不明者7名は艦内の水没した区画で発見されました。ご冥福をお祈りいたします。
 公務中の事故でしたので日本の捜査権は制限を受けて、米軍の調査結果が判明するまでは明らかになりません。


 個人的な感想になります、宇和島水産高校練習船が原潜とハワイで衝突した事故では、原潜の船長は大した処分を受けなかったようです。おぼろげな記憶ですがそのような印象を受けました。今回は米国のほうに人的被害がでています、どうなるのでしょうか。


 問題点を挙げてみます。

1. 船長の甲板上の指揮義務について


 下田沖の石廊崎では関西と名古屋方面からの航路と東京湾と千葉・東北方面に向かう航路の交わる地点ですが、航海士をしていた経験では、商船は船長の指揮をうける場所ではありません。 商船は今回では0-4ワッチの時間ですから2等航海士と甲板手の計2名で当直に入っていたと思われます。軍艦は人員が豊富なので、航海士1名と下士官1名や見張り員(左右と後ろ)3名で合計5名ほどで当直にあたっていたと思われます。
 このようなロケ−ションですので、米艦の船長が居室で寝ていて、浸水して負傷したのは不思議ではありません。東京湾の入り口に接近してからは船長の甲板上の指揮義務になります。


2. 米艦の装備と、損傷について


 観艦式で自衛艦「くらま」5200トンに乗船したことがあります。その時に舷側の厚み10mm強の厚さしかないのに驚きました。薄いですねと尋ねても装甲については大した秘密事項でもなさそうでした。 今回衝突したコンテナ船が3万トンクラスですので、同じ大きさのバラ積船に乗船した経験があります。その船の舷側厚は30cm位はあったと記憶しています。


ACX CRYSTAL、29,093総トン、船主:大日インベスト(株)、フィリピン人20人乗組

 両者が衝突すれば舷側の厚みの違いにより、今回のような損傷が起きるのは明らかです。 おまけに写真からは水面下の状況は判明しません。商船のバルバスバウのぶつかりで、かって軍艦に衝角が船首下部にあり、故意にぶつかることで穴を空け沈没させていました。 商船のバルバスバウは衝突して衝角のような損傷をイ−ジス艦に与えたのでしょう。

 


 バルバスバウ


 水雷艇の衝角

 第2次大戦で戦った軍艦は同じクラスの砲撃に耐える装甲で作られていた。当時の軍艦8000トンクラスでは60-80mmの厚さの舷側装甲ですから、それなら被害の程度は違ったものになっていたでしょう。 現代戦は防御よりも、早く見つけて先に攻撃することの戦術で軍艦は設計されています。イ−ジス艦は300Km先の航空機を捕捉できます。対水上戦用のレ−ダ−ももちろんあるでしょうが、航海するときは商船と同程度の航海用レ−ダ−で航行しているでしょう。 今では商船では衝突回避の機能をもつレ−ダ−が装備されていると聞きますが、こちら老商船乗りには経験がありません。米艦に衝突回避レ−ダ−が装備されていたのかは不明です。現代設備や見張り員の人数も大事ですが、最後は人間の判断でしょう。


3. 航法上のこと


 商船の実際の航行はGPSの発達した今ではPCによりサイトにアクセスすることで海上の位置とそれまでの航路が把握できます。小生も零細ボ−ト輸入代行をしています。アメリカからボートを船積みしてきた本船をこれを使用してチェックしてきました。


 http://www.marinetraffic.com/jp/ais/home/centerx:139.2/centery:34.5/zoom:9
  marine trafficによる


 コンテナ船の航跡は発表されていますが、軍艦の位置は軍事秘密ですから、もちろんサイトに登録されていない。商船の航跡と比べてみればかなりのことが分かると思いますが、残念です。


 

  航法上の規定で横切り船の航法が適用されるか、追い越し船の航法が適用されるかがポイントです。


下記の海難審判所のHPをご覧ください。小生も速度の遅いヨットに乗っているので、前方の船ばかりに注意を向けていると追越してくる船が警告信号を鳴らしたり、既定の追越し信号を鳴らされて驚くことを経験しています。昨年に音戸瀬戸を航行中にフェリ−から突然汽笛が鳴りびっくりしたことがありました。こちらは2ノット余りしか速度がないのに狭い川幅くらいの中央寄りを航行していては10ノット以上のフェリ−にとってはジャマものでしかなかったでしょう。あわてて右により5mくらいの間隔でこちらの左舷側をフェリ−は航行して事なきを得ました。

 http://www.mlit.go.jp/jmat/monoshiri/houki/houkinyumon/oikoshi.htm
 海難審判所のHP 追越し船の航法

 夜間に前方に同行船がある場合は上のHPの図にあるように船尾灯の白色一灯しか見えません。舷灯の緑か紅の灯火が見えるとすれば横切りの航法になります。
前の船との速度の違いはレ−ダ−によりその船との距離を測っていくことにより判明します。大事なことは行会い船の航法でも同じですが、相手船に対して早めに自船の意思を示すこと、具体的には左舷対左舷または右舷対右舷でやりすごすゆに進路をとることです。


 http://www.mlit.go.jp/jmat/monoshiri/houki/houkinyumon/koutsunyumon.htm
 海難審判所のHP 横切り船の航法


4. 海軍の航海科の充実


 ここで海上自衛隊の航海科の充実を述べています。この事故から、アメリカ海軍でも状況は同じではないかと想像されます。航海長は大尉くらいが就任して年齢三〇くらいが初任でしょう。イ−ジス艦の艦長でも中佐くらいだと思われるので艦内の位階序列からいえばそうなります。
  文章には書けない不文律ですが。軍艦と競合した民間船には、海軍さんは操船能力が低いので譲る気持ちが大事かもしれません。戦前では、軍人さんはエライということで皆が進路を譲り、事故が少なかった?のでしょう。

5. 外航商船の技量

 コンテナ船は神戸に本社がある大日インベスト(株)の所有で運航は日本郵船がしており、乗組員は船長以下20名ですべてフィリピン人である。外航日本人船員は絶滅したので、当然ように日本資本の船でも、船籍は便宜置籍にして外国人の船員により運航されている。 日本郵船はフィリピンに自社で船員大学を設立して、乗組員の養成をしている。技量を覚えた船員は日本支配の船に乗りたがらず、待遇の良い欧米の支配する船に転職していく現象もあるといいます。 船員は日本人でも出稼ぎ稼業で、古くはコメの生産の少ない地方からの人々で成り立っていました。フィリピン人といえどもある一定の経験を積んでいる乗組員であったら、劣るものではないと思いますが、果たしてコンテナ船にはどの程度の経験を有する船員が乗船していたかは不明です。

   2017-6-22

 



 

 

 

 







    海上自衛隊と航海科の充実


 ”あたご”と漁船の衝突事件で自衛隊の当直航海士が無罪となりました。
以前にも、”くらま”の下関海峡で衝突炎上、潜水艦”なだしお&#
8221;の遊漁船との衝突などが思い出されます。船乗り稼業から離れて25年ほど経ちま
すので、現状には疎いのかもしれません。小生の時代には無かったGPSや衝突予防装
置を、今では設置しています。自衛隊には海の法律は適用されなくて、航海士の免状が
なくても当直の責任者になれます。民間船にある航法記憶装置も”あたご”
にはなく、どういう針路で航行したのかの記録がなく、この裁判に確たる証拠として利用
できませんでした。
 水産に関した学校に在籍したことがあります。漁船に乗ることもなく、商船の世界です
ごしました。漁船の世界から商船に来た人は、やはり本業は魚とりですので、航法は漁
場へ行くためだけ補助的手段になるためでしょう。正直に言えば、漁船から商船の航海
士になるのに、慣れるまで時間を要するのが実情です。 自衛艦でも同じですね、戦闘
するのがメインですから。
 事故が起きた時の、社会的な問題の大きさを考えると、より航海科の充実が必要で
す。 
 そのために、
1.当直士官3名に海技免状を所有させる
2..航海科の経験のある下士官に免状をとらせて当直責任士官に任用する(現実的で効
果大)
3.商船の航海士を中途採用する、これが即効性があります。
 こんなことが考えられます。例え優秀といえども、防大出の士官で砲術得意で航海に
未熟な人を、士官だからということで、当直責任士官に使うのは事故のもとですね。言い
過ぎですが、普通自動車免許でレースに出る人はいませんね。商船では船舶が輻輳し
ていない昼は航海士一人で当直していて、夜間は航海士と甲板手と2人で当直が現状
です。しかし自衛艦は当直士官と操舵手以外に左右と後方に計3人を見張り員として5
人で当直配置しているようです。自衛艦は本船と違いは直ちに機関停止や減速が行え
ます。それでも事故を起こします。責任当直航海士の技量向上が必要です。
    
           2013-6-29
 






       海上自衛隊と航海科の充実 その2  

 
 もう大昔ですが35年以上も前です。甲種2等航海士の海技試験を受けました。その時
に学科試験の合格後には口述試験がありました。あやふやな知識はこの時にバレま
す。それはさておいて、その時同席して試験官の質問に一緒に答えたのが海上自衛隊
の昔大尉で今は一尉の隊員の方でした。恐らく航海科の士官の方でしたのでしょう。
 陸上では二〇〇人くらいの隊員を指揮する中隊長、海上では自衛艦の航海長にあた
る地位の方でしょう。防衛大学卒業後七-八年実務を経験して昇進した階級と思われま
す。
 両人とも無事合格しました。しかし船の仕事というのは伝統と歴史があるので、各人の
職掌は見事に分担するように別れたものになっています。小生は八年以上の部員の経
験でも船橋・ブリッジでの当直の仕事はわずかな経験になります。保守作業・ペンキ塗
り・サビ落としが中心のようなものでした。ついでにトイレ掃除4年。学校で船の学科は学
んだことはありません。海技試験のために勉強をしたのみでした。晴れて三等航海士で
乗船しましたが、その時には大事な仕事であるレーダーをどう扱ったらいいのか戸惑う
ばかりでした。実習経験の無いペーパー航海士でしたね。また今と違い天測で大洋航海
していた時代でしたから、天測も試験にでる計算ができるばかりで実際の船位をだすに
は実務が違いました。それでやっと一年くらいして慣れました。サードオフイサーとして使
えるようになるには三年はかかるでしょう。商船教育を受けて一年の実習で航海士にな
った方はもっと容易でしたでしょうね。

 海上自衛隊の彼は士官としてそれまでに当直業務をこなしてきたのかもしれません。
航海長に就任するための受験であった可能性は高いです。そしてその後四-五年で昇
進して三佐になると小型自衛艦の艦長、二佐で中型自衛艦の艦長、一佐で大型自衛艦
の艦長です、早ければ一〇年ほどでしょう。昔なら戦艦大和の艦長です。

 商船では二〇歳で航海士で乗船すれば昇進の早い人で三〇代後半で船長、通常は
四〇代で船長です。二〇年以上の経験が必要です。

 自衛艦の事故が多いのはあくまで個人的な見解ですが、当直航海士官や艦長の経験
不足があるためでしょう。見張りが大事ですけれど、人数が多くてもおざなりな状況報告
を当直士官が受けていても役たちません。事故は最終的には船長の責任になります。
商船では航海士の当直時間に対処できなくて船長を呼びにいくことは可能ですが、船乗
りの経験上それは極めてまれなことになります。小生のようにペーパー航海士でした
が、責任を持った経験を重ねていくことで成長していきます。

 海上自衛隊は恐らく航海科の位置が低いのだと思われます。航海は親善航海でもな
い限り戦闘海域に行く手段で戦闘行動に比べれば低い地位にあるものと思われます。
入出港でもない限り、通常航海では航海長の指揮の元に航海していると思います。航海
士の免状をとったばかりの航海長では約不足でしょうね。

 本船では一等航海士レベルで年齢的に三〇代後半で一五年くらいの経験を必要とし
ます。自衛艦ではそれを満たしていないということでしょう。彼は年齢と階級から防大で
のキャリア組と思われます。でも一貫して任官してから航海科に所属していたわけでは
ないと思います。キャリア組はまんべんなく職務を変えて昇進していく官僚システムです
から。

 解決策の一つは防衛大学の士官にこだわらずに、航海科に所属した下士官を二五歳
くらいで海技免状を取得させ、当直責任士官として従事させ専属で三五歳以上の航海
長まで継続して任用し腕を磨くべきでしょう。

 海上自衛隊の士官の任用スタイルを変更しなければなりません。これだと防大出の士
官ですと出世競争の遅れた能力のない将校だと思われてしまいますね。またやったかと
嘆くより事故が続き、民心が離れては意味がありません。総合的な昇進制度の見直し
がいるように思います。まさか先の海軍の伝統を引き継いでいて水雷屋を空母艦隊の
司令官に任用するようなことを今ではしていないと思います。航海科も同様の過ちは避
けてください。航海科は他科と違いこれは訓練ではなくて、常時実戦であることを認識し
ましょう。

 水先法の改正で二七歳の水先人が死傷事故を起こしました。これも明らかな試験制
度の欠陥で自衛隊と同じ根の問題でしょう。

 自衛隊の門外漢ですが、ご参考までに書きました。
今頃は、あの方はキット海将で艦隊司令官なられて、こちらはまともに口も聞いていただ
けないような方になられたことと思います。

       2014-3-2





     航海科の充実 その3

          練習艦しまゆきの航法   

 
   
   10/30 朝日新聞夕刊より

  練習艦・しまゆき・が昨年6月に自動車船と異常接近したケースで運輸安全委員会
は・しまゆき・の操船ミスと公表した。それによると、航路の右側を航行しなければならな
いところを航路中央を航行し、予定変針点に来たとの乗組員の誤認による報告で左転
したのが異常接近の原因とした。
 指摘には無いですが、部下の報告をうのみにして当直責任者としての確認不足があ
ったのと、このような図の船位では航路内であり、艦長が掌握して航行するケースにな
るように思います。
 当時の航海長は28歳であったとあるので階級不明ながら一尉相当と推定されます。
教育の目的を主体とした練習艦の乗り組みにしては若手の航海長のような気がしてい
ます。改善点についてはその1その2で述べていますので繰り返しません。

 この下関海峡の六連島近辺は関門海峡に入る船に水先人の乗船ポイントになってい
ます。自動車船5万2千トンは、この報道で図のような船位ですと、既にパイロット・水先
人は乗船していて、船も大きいことから露払いをする警戒ボートを先行させていたように
思います。詳細は定かではありません。自動車船の行き先により、海上交通安全法な
いし港則法により、行き先方向や係留岩壁を示す旗流信号をマストに掲げていたと思わ
れますが、これも分かりません。警戒船がいるのならよく他船にマイクで注意を呼びかけ
たりしますが、自衛艦なので遠慮があったのかもしれませんね。これも不明です。
 海上保安庁はレーダーや船からの報告により航行管制をしています。もっと常識はず
れの航行をしている船に対して積極的な警告を与えて安全を図るように行動すべきでし
ょう。欧州海域で航行した経験のある身にとっては、あちらではもっと具体的な指示があ
ったように思います。なにせ一寸先も見えない霧のなかを、川を上って航行して、おまけ
に着岸までもきちんと指示によりこなします。あちらの航行管制は見事です。そうでない
と夏場はガス・霧ばかりで港は機能しません。日本なら完全に航行ストップです。
 今回も航路の分岐点の中央にブイを設けるなり、航行分離帯ではっきりとさせる設備
も必要でしょう。何せ外航日本人乗組員の絶滅した今では、便宜置籍船の普及で外航
船舶の技量は落ちているとの認識で、航路標識を設ける必要がありますね。保安庁の
航行管制管を欧州での実習をさせてはどうでしょうか?

    2014-11-1





 米海軍ミサイル駆逐艦がタンカ−と衝突


        米海軍よお前もか、またもやったか!



 8月21日 0624(日本時間)マラッカ海峡のシンガポ−ル東方海上で、米海軍駆逐艦ジョン・S・マケインとタンカ−ALNIC MC リベリア船籍が衝突した。乗組員10名が行方不明と下記のように報道されています。まだ詳細は不明です。

   https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170821-00000027-jij-n_ame




MSNニュ−スより  駆逐艦ジョン・マケイン

 先ごろの米国イ−ジス艦フィッジェラルドの衝突で艦長や副艦長らが艦から離されて司法外の処置を受けたとミリタリードットコムで述べられています。 日本の報道ではまだはっきりとはしていません。米軍のほうに大きな責任があるのかも不明ですが。

 またまた第7艦隊の所属の軍艦に事故がおきました。 またも負けたか第6師団(大阪)という言葉を思い出してしまいましたが、海上自衛隊や米海軍に事故が続いています。世界の海軍のトップとそれに続く日本の海軍の問題ですから、これは海軍艦艇の本質的問題が露見しているのでしょうか? ここでも述べていますが、航海科の体制の改革が望まれます。



    2017-8-21
 ミリタリ-ドットコム  クロ−ムで開いて翻訳して読めます、原文と参照のこと。


    追記

  産経新聞の黒瀬悦成記者によると相次ぐ事故はオバマの国防予算の削減の影響とありますが、それなら予算が事故のたびに増えることになります。自衛隊の予算が増えているのに同様な事故が起きているのはなぜでしょう?

   産経の記事  8/22