速魚の船中発策ブログ まとめ









































































































軍隊 と いじめ




 




     自衛隊のいじめと工藤俊作

 
              
                                         工藤俊作


 たちかぜ乗り組みの海上自衛隊員が自殺した事件で横浜地裁は、いじめは艦内
では日常茶炊事で本件は氷山の一角と判決がありました。 高裁では遺族への
賠償保証額も400万円から7700万円に増額された。また学校のいじめ事件の
時と同じようにアンケート調査を実施した。それを海自が破棄したと偽っていた。
それの疑問を法廷で陳述した自衛官を懲戒処分にしようとした。この処分は見送り
になりました。
 今日の報道では同じように上司のいじめ・暴行で隊員が自殺しました。先の事件
で海自が謝罪したのは5月です。今回は1月であったのに昨日のこの事件の発表
です。海自はいじめに対して黙認して大事なこととは認識していないのでしょう。
 

 工藤俊作は駆逐艦雷の艦長に着任すると同時に、本日より本官は私的制裁を
禁止する。特に鉄拳制裁は厳禁すると発言する。また工藤は兵の失敗はやる気が
あってのことなら決して叱るなと言っていた。それで4000m先の潜望鏡を識別でき
る兵が続々誕生する。それで艦内の士気も向上して成果もでるのです。
 現在の自衛隊ではこの伝統を受け継いでいないのでしょう。防衛大学では8月7
日に上級生のいじめに対する告発が起きています。工藤俊作を海軍兵学校で教育
した校長の鈴木貫太郎は従来の教育方針を大改革した。
 1.鉄拳制裁の禁止
 2.歴史及び哲学教育の強化
 3.試験成績公表禁止・出世競争意識の防止

 自衛隊の現役艦長・連隊長は即座にいじめの禁止を部下に命令すべきです。
戦前のあの旧軍でもできたのですから。軍の命令組織はそういうものです。

 防大では鈴木貫太郎の教育方針を掲げるべき、軍人であるまえにジェントルマ
ンであるべきです。仮性敵国と思われる国では軍備は質・量とも上回っています。
だが装備品を売収したり階級を上げるのにワイロが横行しています。防大の小さ
な固まった枠から外れた生徒をイジメで追い出したりせずに、あらゆる能力を取り
込んで柔軟な組織をつくらないかぎり太刀打ちできないでしょう。集団的自衛権の
問題云々よりこちらの問題が先です。
将来にもし徴兵の問題が起きたときには、隊を辞めるわけにはいきません。これ
の解決がより大きな問題になりますね。

      2014-9-2

   追補
   
 防大生が保険会社から医療費を詐欺した事件で2日に18人が490万円不正
受給したと防衛省が発表した。またOBの現役士官4人が懲戒免職された。
 防大教育を見直す機会がきているのではないでしょうか?防大生は普通の大学
生ではありません。給与も支給されて健康保険・年金も加入しています。それでも
2割近くの学生が自衛隊に入隊していません。学費や寮費の免除程度におさえ
る必要があるとは思います。  普通の大学に近いものにして、一般大学卒の幹
部候補生制度があるので、その課程での統合教育制度にしたらどうでしょう? 
昇進も防大卒が極端に優遇されていると聞きます。幼年学校重視の昔を思い
出します。旧軍の復活ではなく本当の新しい自衛隊であってほしい気持ちです。
歴史の節目に来ているようで、国民の期待でなく官僚や政治家のために外地で
戦闘する羽目になるかもしれませんね。棺桶に片足踏み込んでいる、イザという
ときに何も役立たない老人のたわごとです。


     2014-9-.3

    追補 2
    
 アフガニスタンで起きた中国系米軍兵士がいじめ自殺した事件では直属の
上官も起訴されました。確かに小隊長レベルなら、いじめに加わらないまでも
それを把握していないような隊長では部下の掌握不足な将校でしょう。下級
将校にとどまらずに艦長や連隊長レベルにもおとがめがあれば変わっていく
かもしれません。

    2014-11-10






      鈴木貫太郎  
 
                          
                          鈴木貫太郎     


 寒くなりました。木枯らし小僧の寒太郎♪ と、つまらないシャレを飛ばすには、甚だ失礼な人物です。日本にとっては、敗戦のときに彼が首相の位置におってくれたからこそ戦争を終わらせることができました。沖縄の戦いは悲惨で激しいものでしたが、わずか数個師団の戦いでした。本土決戦にそなえて40個師団あまりを計画し、満足に銃器の配備のない師団もありましたが、満州から司馬遼太郎さんのいた戦車師団もいたことから、上陸戦を戦い降伏を認めない戦いで終わるまでには民間人も含めてさらに百万単位の死者がでたでしょう。彼はそれをさせずに終戦に持ち込みました。

 15年以上もボランテイアをして支援している政治家と盆暮れに飲む機会があります。その席で彼は鈴木貫太郎を尊敬する政治家によく挙げていました。小生は浅はかにも終戦時の首相レベルの知識でした。今回に工藤俊作のことを書くつもりで調べていますと、鈴木貫太郎なくして工藤俊作はいません。

 彼の海軍兵学校校長の時の教育方針(50と51期) 鉄拳制裁の禁止、歴史及び哲学教育の強化、試験成績公表の禁止・出世競争意識の防止、自由時間を多く 設定。工藤俊作も彼の艦内では制裁禁止を徹底していました。オ
ラが艦長のためならと良い雰囲気でした。だから救助もできました。


  鈴木貫太郎 略歴

 1868年 慶応3年 誕生
 1884年 明治17年  海軍兵学校
       日清戦争従軍
 1898年  海軍大学
        日露戦争 駆逐隊司令として3艦撃沈
 1914年 大正3年  海軍次官
 1918年 大正7年  海軍兵学校長
 1923年 大正12年  海軍大将
 1924年 大正13年  連合艦隊司令長官 
 1925年 大正14年  軍令部長
 1929年 昭和4年  侍従長 予備役
 1936年 昭和11年  2.26事件 致命傷を受けるが奇跡的に助かる
 1945年 昭和20年  内閣総理大臣  終戦処理
 1948年 昭和23年  死去

 1945年4月12日 ルーズベルト大統領死去に対して哀悼の談話発表(日本側発表は?)同じときにヒットラーが口汚くののしったことに比べて、トーマス・マンが感動して日本には死への敬意と品位があると声明をだした。
 彼の信条は軍人は政治にかかわるべきでないでした。強く請われて宮中に入ってしまったのでその後の海軍に影響を与えること少ないですが、兵学校の教育を海軍がもっとすすめていれば、違った歴史になったでしょうね。でも2.26と終戦の2度も暗殺の危機を逃れた彼の幸運な運命に日本は救われたといえます。

 12月7日 関宿にある鈴木貫太郎記念館に行ってきました。彼の居宅後にできた無料の記念館です、連れ合いを含めて4人の入館者でした。彼の性格を表しているのかもしれませんが、もっと世間が知って顕彰してもいいように思います。
 日本の海軍の良心が歴史に貢献してくれました。

           2013-12-7







  淵田美津雄の海兵時代

       自叙伝より

  「かっての江田島でも、上級生の下級生に対する訓育指導は重視されていた。しかし、行き過ぎると鉄拳制裁ということになる。ずいぶんとやったものらしいが、私が江田島に入校したときには、前年の鈴木貫太郎中将は、鉄拳制裁の禁止を強く達示した。そして違反した者には、退校処分にするというきついものであった。従って私の在校期間、一度も上級生から殴られたことは無いし、また一度も下級生をなぐったことはない。」

 鈴木貫太郎が江田島の校長時代のことが淵田の自叙伝からうかがえる。当時の学生のなかで、工藤俊作や淵田美津雄がでている。その下級生のなかに大橋勝男がいる。伊156艦長として英・豪隊員がボ−トで12名漂流中を発見したが攻撃を加えなかった。戦後に豪州国防職員は特筆すべきことであると称賛した。







  海兵50期から53期  鈴木貫太郎校長の影響下



50期
大正11年(1922年)6月1日卒業、272名

中将:松村寛治
少将:安久栄太郎 ・ 吉川潔
大佐:岡村基春・佐多直大・佐薙毅・柴勝男・柴田文三 ・渡名喜守定・飛田健二郎・人見豊治 ・堀内豊秋 ・吉田英三・和智恒蔵



51期

大正12年(1923年)7月14日卒業、255名
士官と同様の長ジャケット型制服に変更される。

少将:木梨鷹一・戸上一郎・山本祐二
大佐:有泉龍之助 ・井浦祥二郎・稲葉通宗・榎尾義男・扇一登・大井篤・実松譲・島村信政・溪口泰麿・樋端久利雄・小園安名・豊田隈雄・花房博志・三代一就・山田盛重・横田稔・若色伊三郎
中佐:工藤俊作
少佐:黒井明・堤正之


52期

大正13年(1924年)7月24日卒業、236名

皇族:高松宮宣仁親王
少将:入佐俊家
大佐:庵原貢・伊藤茂 ・猪口力平・宇都木秀次郎 ・遠藤忍 ・源田実・柴田武雄 ・清水洋・鈴木正一・立花止・玉井浅一・内藤雄・原田毫衛・福地周夫・淵田美津雄
少佐:生田乃木次


53期

大正14年(1925年)7月14日卒業、62名
ワシントン海軍軍縮条約の影響で採用者が激減する。

皇族:伏見宮博信王
大佐:宇野亀雄 ・大橋勝夫 ・福地誠夫
中佐:日下敏夫
少佐:藤井斉